育児から育自       


お母さんたちの話は、近くに話し合える仲間が出来て、「1人で子育てをしなくていい」と思えるようになったとか、「他人(よそ)の子のことが気になるようになった」とか、「他人(ひと)の子のことを本当に心配してくれる、子育てを応援してくれる先輩がおられるということがわかって、子育てに自信が持てるようになった」とか、辛い、苦しい子育てでなくなってきているということが感じられ、明るい気持ちになりました。

それもほんのちょっと視点を変えて我が子と向きあった時、「全く言うことを聞かない」と思っていた子どもが、ちゃんと、自分の意思を持ち、自己主張の出来る頼もしい子に見えてきたりして、「大丈夫、心配ない」と安心出来て、親子共のびのび暮らしていけるんだと思うんです。そして子どもたちの個性もひかり、社会に役立つ人に成長していくと信じています。この「ほんのちょっと視点を変えられるようになるところ」が私たちの提唱している「母と子のつどい」なのです。


昔から幼児は、素朴な遊びを通して親とともに育ってきました。今はどうでしょうか、私たちのまわりに親子で遊ぶ場が、群れて遊ぶ場が急速に失われています。一方、おもちゃを買い与えてのひとり遊びや、お金を払って遊んでもらう施設、行政が催すものなど遊びがいつの間にか私たちの手から離れていってしまいました。何不自由ないと思われる環境の中で幼児をもつお母さんたちが不満、不安を抱えて子育てに悩んでいるのが実情です。身近に本音で相談する相手、場が見つからずに孤立化する親子が多い中で、その場を作ろうと実行したのが「母と子のつどい」です。失われいくご近所関係を育む側面もありました。

そして、なぜ、“母”かといえば何といっても幼児はお母さんです。もちろんそれを支えるお父さんあってのお母さん。その応援協力なくして、元気な子育てはできません。お母さんが中心になって友達作り、呼びかけを通 して一緒に遊ぶ場づくりを自分の家を開放して行います。親同士自然に親しむうちに、子どもたちもみごとに異年齢で遊ぶ楽しさを身に付けます。親子関係を育むということは、子どもが小さいときから親が意識して遊びを通 じて築いていかないと、親子の絆を深めることが難しい、遊びを通じて親子の信頼関係を育むことにより子どもが指示待ちではなく、自分発信の生き方ができる。従って、人にも及ぼしその子らしく生きていかれる力を身につけることができる場が「母と子のつどい」です。