なにも敬われることをしていない思いが強いのに「敬老の日」という国民休日になんとなくうしろめたい気持ちがある。それは、年を重ねて得た権利、資格、優遇措置は老齢厚生年金と老人優待のバス乗車券と割り切っている強がりのせいかもしれない。

然し、自分を含めてわが同輩人には活年としてなんとなく差別されるような「なくて七癖(ななくせ)」をもっているものが多いと思われる。

(1)「もう」の連発である。「もう70だ、80だ」。「もう遅い」。「もう10年若かったら」。「もうダメだ」。「もうこのくらいしかない」。

(2)「頑固」。いままでの生き方にこだわって自説をまげない。もちろん人生の先輩としての知恵が生かされる場合があるが、TPOに関係なく自分の経験則を押しっける。相手の心情、考えを弁(わきま)えず自説に固執して相手を追いつめる。

(3)「短気」。自分のいう通り、思うことが通らなければすぐ感情を爆発させて雰囲気をこわす。

(4)「昔話」。かつての地位、肩書にはじまっての自慢話が延々と続く。周囲のしらけが分からないだけに粗末が悪い。

(5)「体調が悪い」。お元気ですかと問えば、おかげさまで元気ですという答えはなくて、腰が痛くて、手足がしびれるの、食欲がないので医者に行ったらなんともないといわれたが、あの医者はヤプ医者よと病気願望のぼやきが続く。

(6)「他人のせい」。悪口と裏腹だかなんでも自分に都合の悪いこと、思い通 りにゆかねば、あれは嫁のせい、誰々のせいと悪口とは知らずに人を傷つける。

(7)「自虐癖(じぎゃくへき)」。8月に雨が少しも降らなかったのも私のせい、隣の猫が子どもを6匹生んだが貰い手がない、孫が登校拒否児も自分のせい、長男夫婦の折り合いが悪いのも私が原因かもと笑い種になるようなことも現実である。とりあえず七ツあげてみたが、この癖をもったものは生き辛いのではなかろうか。

まず、自己中心であり、小児的わがままを反省なく繰り返すこと、自己の存在を周囲への忖度(そんたく)なく振る舞うこと、逆にすべてマイナス思考で自閉的たこつぼに入るタイプということができる。

さすが、わが活年同志にこの七癖がないことは、自戒を含めてご同慶の至り。