育児から育自       


子どもが成長するにつれて、三種混合、ツベルクリン、定期検診と出かけることも多くなりますね。そんな時、年子の孫がいる私もかり出されて2人のうちどちらかと会場近くの車の中で待っていることがよくあります。

この前、下の孫の検診で上の子と車の中で歌をうたったり(娘に音痴になるから歌わないでと言われますが)手遊びをしたり、暑いからクーラーの効いているところでと時間の経つのがとても遅く感じられる時を過ごしました。1時間近く経った頃、ママが恋しくなって私の胸に熱い視線を送りながら、そろりそろりと前ボタンを1つはずしました。そして、私の顔をみて「ママ」「ママ」と訴えます。暑くて、喉は乾くし、ばあちゃんも孫も、もう限界だとジュースを買いに2人で出かけました。飛び跳ねるような歩き方が、何とも可愛くて、手をつないで、また、「お馬の親子は仲良し、こよし」と手をにぎり、足を上げて50メーターほど先のお店にジュースを買いに行きました。

「おりこうだね」「何にしようか?」とお店の人に声を掛けられ、気をよくして、またテクテクと「おいちぃ、おいちぃ」と帰り道、踏切が降りると走っていって「バイバイ」と手をふり、すれちがう人々に、1人ひとり「バイバイ」と挨拶。足元がふらついて、ひざをついてしまっても決して手から離さないジュースをしっかりと抱っこして、やっぱり「ママ」「ママ」。今、そばに居なくても必ず帰ってくると待っている子どもの心がいじらしく思われました。

こんな時決して、おどかしたり(言うこと聞かないと、ママ帰ってこないよとか)すると子どもはパニック状態になり、その時の不安はとても恐ろしい思いとして心に残っていくものだと思うのです。幼いときの基本的な信頼感がしっかりと根付いて、それが元になって自分自身を認めていける、自立していける一つの要因だと思うのです。母と子、或いは母に代わる人と必ず戻ってくると安心していられる関係をつくれることが、子どもの心の成長の上でとても大切なことだと思うのです。